正月
「元日」は僕にとって特別な一日だ
小さな商売だが三代目
おじいちゃん おやじの時代と小売業は12月が一年で一番売れる
(現在は全く違うが・・・)
歳の暮は正月用の下着や靴下 晴れ着の服などを
求めるお客様でごったがえしていた
12月31日は紅白歌合戦がはじまる頃に掃除を始めて
除夜の鐘を聞きながら店の戸を閉めていた
おばあちゃんは年越しそばを準備して
忙しい中、皆が立って食べていた
一年の終わりは大忙しだがとても充実していてた
ずっと昔、子供の頃
そんな大人達の満足そうな様子がまぶしかった
大晦日は何時まで起きていても良かったしね
そして、「正月」
なんと言っても、一年に一度の「店休日」なのだ
昔の商店は住居と店が一緒なので「定休日」というものがない
たまに休んでもお馴染みさんは勝手に入ってくるから
休む意味がないのである
しかし、一年に一度の「元日」はお客様が来る事はなく、
大手を振って安心して休めた
その開放感・・・
元日は皆遅寝して、昼におせち料理
仏間に集まり、新年の挨拶 乾杯 お年玉
この日だけの特別な御馳走が沢山並んで
家族や、年賀に来た親しい親戚が楽しそうに酒を飲んでいた
酔いつぶれて寝る人 遅い初詣に行く人
ゆっくりと元旦が終わっていく
「元日」は商売人にとっての唯一の「安息日」だった
時代は変わって現在
元旦営業は当たり前の風潮である
昔は「一年の計は元旦に有り」といって
無闇にお金を使わず、家で静かに過ごすものであった
ところが、一遍様変わり
福袋商戦が勃発
マスコミのあおりもあって百貨店は大盛り上がり
そして、冬のバーゲンが速まり、初売りが冬物バーゲン初日
休んでいる場合ではないのです
小売業は競争が原理原則
隣の店が元旦営業をはじめれば休む訳にはいきません
それも、これも、規制緩和の結果
「大店法」で営業時間と年間の休日が決められていたが
全く制約が無くなった
そして、
元旦営業を一番にやったのはダイエーの「中内功」
ダイエーがやるなら、ジャスコもヨーカドーもと一気に広がった
「元旦」は休み、「元旦」は商売人の安息日
という無言の不文律を破った極悪人は「中内」
業績の不振がはじまっていたダイエーはなりふり構わぬ暴挙にでた
その、行いは「万死に値する愚挙」である・・・と今でも思う
(まぁ、彼がやらなくてもだれかがはじめただろうが・・・)
戦後流通革命の旗手も
晩年はぐうたら息子のバブル三昧に手を焼く
判断能力を失った「老人」にすぎなかった
ダイエーは解体され全財産を失い
息子達は全員会社を追われ
「中内」は失意の中で死んでいった・・・
あの、大みそかの賑わい、一年一度の、のんびりとした一日
それを小売業に携わる人々から奪った「中内功」
その実態は皮肉にも「市場原理主義」の犠牲者第一号です


























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